情報サービス産業の今を俯瞰する(その7)

情報サービス産業の今を俯瞰する(その7)

しばらくはこのテーマでシリーズものをエントリをします。
また少しシリーズものをエントリします。

内容としては、情報サービス産業の現状を理解し、また中小派遣型受託開発ソフトハウスの課題や解決策を探るべく、ちょろちょろと以前に書いていたメルマガがベースになっています。

特定の企業だけでなく多くの中小派遣型受託開発ソフトハウスに当てはまる内容かと思っています。
ぜひご批評を頂ければと。
それではどうぞ。

現状の情報サービス産業についての情報展開のVol.7です。

自分たちの置かれている産業の実態、変わりつつある時流を感じてもらえればと思います。

●大手SIer、大手受託ソフトウェア開発企業の抱える課題

1.前回までの振り返り

前回までは、多重下請構造や業界慣行による問題点を掘り下げ、経営課題を導きました。
 
その結果、

「プロダクト、サービスの高付加価値化」

「労働集約から知識集約への転換」

が導かれました。
 
 
今回は、情報サービス産業白書を紐解き、国内の大手SIerや受託ソフトウェア開発会社(本文中は、これらをまとめてトップベンダ、大手ベンダと表現している場合があります)は、今の業界をどのように見ているのかを探ってみたいと思います。
 

我々からしても問題があると考えているのですから、大手ベンダも何かしら課題を持っていると思います。またそうだからこそ、「受託ソフト開発会社は生き残れない」といった強烈な危機感を抱いているのだと思います。
 
まずはこれらを見ていき、その結果として我々がどのような経営課題解決のためのフレームワークを検討するべきなのかを順を追って検討していきたいと思います。
続きを読む

情報サービス産業の今を俯瞰する(その6)

情報サービス産業の今を俯瞰する(その6)

しばらくはこのテーマでシリーズものをエントリをします。
また少しシリーズものをエントリします。

内容としては、情報サービス産業の現状を理解し、また中小派遣型受託開発ソフトハウスの課題や解決策を探るべく、ちょろちょろと以前に書いていたメルマガがベースになっています。

特定の企業だけでなく多くの中小派遣型受託開発ソフトハウスに当てはまる内容かと思っています。
ぜひご批評を頂ければと。
それではどうぞ。

現状の情報サービス産業についての情報展開のVol.6です。

自分たちの置かれている産業の実態、変わりつつある時流を感じてもらえればと思います。

●問題を我々の課題へ(その3)

1.前回までの振り返り

前回までは、多重下請構造と、業界慣行によって起きる問題を1つ1つ掘り下げ、対策の方向性を考えてきました。
 
今回も残りの問題について同じように考えていきましょう。
続きを読む

情報サービス産業の今を俯瞰する(その5)

情報サービス産業の今を俯瞰する(その5)

しばらくはこのテーマでシリーズものをエントリをします。
また少しシリーズものをエントリします。

内容としては、情報サービス産業の現状を理解し、また中小派遣型受託開発ソフトハウスの課題や解決策を探るべく、ちょろちょろと以前に書いていたメルマガがベースになっています。

特定の企業だけでなく多くの中小派遣型受託開発ソフトハウスに当てはまる内容かと思っています。
ぜひご批評を頂ければと。
それではどうぞ。

現状の情報サービス産業についての情報展開のVol.5です。

自分たちの置かれている産業の実態、変わりつつある時流を感じてもらえればと思います。

●問題を我々の課題へ(その2)

1.前回までの振り返り

前回までは、多重下請構造と、業界慣行によって起きる問題を1つ1つ掘り下げ、対策の方向性を考えてきました。
 
今回も残りの問題について同じように考えていきましょう。
続きを読む

情報サービス産業の今を俯瞰する(その4)

情報サービス産業の今を俯瞰する(その4)

しばらくはこのテーマでシリーズものをエントリをします。
また少しシリーズものをエントリします。

内容としては、情報サービス産業の現状を理解し、また中小派遣型受託開発ソフトハウスの課題や解決策を探るべく、ちょろちょろと以前に書いていたメルマガがベースになっています。

特定の企業だけでなく多くの中小派遣型受託開発ソフトハウスに当てはまる内容かと思っています。
ぜひご批評を頂ければと。
それではどうぞ。

現状の情報サービス産業についての情報展開のVol.4です。

自分たちの置かれている産業の実態、変わりつつある時流を感じてもらえればと思います。

●問題を我々の課題へ(その1)

1.前回までの振り返り

前回までは、多重下請構造と、業界慣行によって起きる問題について見てきました。
 
皆さんも仕事を行う中で、日々いろいろな問題や疑問が沸いていると思いますが、これまでに見るように、1つの会社だけの問題というわけではなく、この業界全体が直面している問題でもあります。
 
また、それとは別に今の会社内に閉じた問題を感じることもあるでしょう。一旦こうした問題を洗い出し、根本原因を1つ1つ丁寧に見ていくと、実は根本原因は同じということも多々あります。
 
 
 
問題解決のための初めの一歩は、まず問題を認識することです。これまでに挙げた問題以外にも様々な問題があると思いますが、まずは今まで挙げた問題を整理してみましょう。
 
整理することによって根本原因を明確にします。原因が明確になれば対策も打てるようになります。我々がこうした問題を解決するための方向性を手に入れることが、問題解決のための次のアクションです。
 
 
 
続きを読む

情報サービス産業の今を俯瞰する(その3)

情報サービス産業の今を俯瞰する(その3)

しばらくはこのテーマでシリーズものをエントリをします。
また少しシリーズものをエントリします。

内容としては、情報サービス産業の現状を理解し、また中小派遣型受託開発ソフトハウスの課題や解決策を探るべく、ちょろちょろと以前に書いていたメルマガがベースになっています。

特定の企業だけでなく多くの中小派遣型受託開発ソフトハウスに当てはまる内容かと思っています。
ぜひご批評を頂ければと。
それではどうぞ。

現状の情報サービス産業についての情報展開のVol.3です。

自分たちの置かれている産業の実態、変わりつつある時流を感じてもらえればと思います。

●多重下請け構造の功罪(その3)

1.前回までの振り返り

前回までは、多重下請構造と、業界慣行によって起きる問題について見てきました。ただし、単に問題があるというわけではなく、委託側・受託側双方にメリットがある仕組みであるがゆえに、ここまで浸透したことを見てきました。
 
今回は、「人月単価での発注」「客先への常駐」という業界慣行が引き起こす最後の問題を取り上げます。この問題は業界慣行による制約で発生しますが、それが実際は多重下請構造を形成することを促進する要素にもなっています。
 
今回はやや財務的な知識が必要になりますが、できるだけ基本的な知識で理解できるように説明したいと思います。
 
説明の途中で下記の資料を参照します。

・損益分岐点の説明資料(PDF、280KB)
 資料をダウンロード

 
 
続きを読む

情報サービス産業の今を俯瞰する(その2)

情報サービス産業の今を俯瞰する(その2)

しばらくはこのテーマでシリーズものをエントリをします。
また少しシリーズものをエントリします。

内容としては、情報サービス産業の現状を理解し、また中小派遣型受託開発ソフトハウスの課題や解決策を探るべく、ちょろちょろと以前に書いていたメルマガがベースになっています。

特定の企業だけでなく多くの中小派遣型受託開発ソフトハウスに当てはまる内容かと思っています。
ぜひご批評を頂ければと。
それではどうぞ。

現状の情報サービス産業についての情報展開のVol.2です。

自分たちの置かれている産業の実態、変わりつつある時流を感じてもらえればと思います。

●多重下請け構造の功罪(その2)

1.前回までの振り返り

前回は、多重下請構造と、業界慣行の2つに問題がある点を指摘し、まずは多重下請構造についてメリット・デメリットを探っていきました。

結論としては、多重下請構造は委託側・受託側双方のニーズが一致しているために発生したものであることを見てきました。しかし、それによって賃金格差や組織力の格差、技術者のキャリア不安などの問題があることを見ました。
 
 
今回は、「人月単価での発注」「客先への常駐」という2つの業界慣行が、どのような問題を起こしているのか、またなぜこのような業界慣行が浸透しているのかを、メリット・デメリットから見ていきます。
 
 
今回も、直接的にわれわれに影響を与える問題だけをピックアップします。ぜひ、自分に当てはめた場合どうなのかを考えながら、リアリティを持って読んでいただければと思います。
 
 
※今は問題だけ取り上げていますが、その後にはこれら問題の解決のための方策をきちんと示したいと思っています。まずは問題認識の共有からということで・・・
続きを読む

情報サービス産業の今を俯瞰する(その1)

情報サービス産業の今を俯瞰する(その1)

ご無沙汰しています。

ちょっと久しくブログにアクセスしていませんでしたが、そろそろ復帰します。

また少しシリーズものをエントリします。

内容としては、情報サービス産業の現状を理解し、また中小派遣型受託開発ソフトハウスの課題や解決策を探るべく、ちょろちょろと以前に書いていたメルマガがベースになっています。

特定の企業だけでなく多くの中小派遣型受託開発ソフトハウスに当てはまる内容かと思っています。
それではどうぞ。

現状の情報サービス産業についての情報展開のVol.1です。

自分たちの置かれている産業の実態、変わりつつある時流を感じてもらえればと思います。

●多重下請け構造の功罪(その1)

1.多重下請け構造についての評価

多重下請構造とはプライムベンダを頂点として、開発をどんどん下請に発注する構造のことです。一般的にはこの多重請構造が問題だといったような議論があります。

IT業界の多重下請の問題は、一般的に以下のように言われています。
続きを読む

受託・派遣型ソフトウェア業の課題:コスト構造(その7 完結編)

受託・派遣型の中小ソフトウェア業が抱える課題:コスト構造(その7完結編)

●受託・派遣型ソフトウェア業が生き残れるビジネスモデルとは?

ここでは、私が認識する受託・派遣型の中小ソフトウェア業のかかえる課題について述べ、解決に向けての情報共有を行いたいと考えている。

「受託・派遣型のソフトウェア業」とは、主にベンダ企業や大手のソフトウェア業のシステム開発を請負または委任契約で受託し、客先の企業内に技術者が常駐して開発を行うタイプの業務形態を示している。世間一般で言う「ソフトハウス」がこれに該当する。

私が本稿で述べたい結論は、「受託・派遣型のビジネス慣習によって、受託・派遣型のソフトウェア開発は、ハイリスク・ローリターンのビジネスモデルになってしまっている」という点である。これではリスクだけ引き受け、リターンは低いという、全くうまみの少ないビジネスと言えよう。

日々生産性向上の施策なども打っているが、なぜか利益が出ないし組織が伸びない、とお悩みのソフトウェア業の方は、ぜひご一読を頂き、ご批評を頂ければ幸いである。

当方の考えるコスト構造に関する課題の結論と、結論に至るまでの仮説は以下である。

●結論

受託・派遣型のビジネス慣習によって、受託・派遣型のソフトウェア開発は、ハイリスク・ローリターンのビジネスモデルになっている。

●仮説

人月単価での発注という慣行によって、組織の生産性向上によって余剰工数が生み出されても、柔軟に仕事をアサインできるマネジメントが存在していない。

論述はおおよそ以下の順に述べた。今回は完結編として、生き残れる派遣型ビジネスの形態を考えてみたい。

続きを読む

受託・派遣型ソフトウェア業の課題:コスト構造(その6)

受託・派遣型の中小ソフトウェア業が抱える課題:コスト構造(その6)

●(4)コスト構造の課題 その2

ここでは、私が認識する受託・派遣型の中小ソフトウェア業のかかえる課題について述べ、解決に向けての情報共有を行いたいと考えている。

「受託・派遣型のソフトウェア業」とは、主にベンダ企業や大手のソフトウェア業のシステム開発を請負または委任契約で受託し、客先の企業内に技術者が常駐して開発を行うタイプの業務形態を示している。世間一般で言う「ソフトハウス」がこれに該当する。

私が本稿で述べたい結論は、「受託・派遣型のビジネス慣習によって、受託・派遣型のソフトウェア開発は、ハイリスク・ローリターンのビジネスモデルになってしまっている」という点である。これではリスクだけ引き受け、リターンは低いという、全くうまみの少ないビジネスと言えよう。

日々生産性向上の施策なども打っているが、なぜか利益が出ないし組織が伸びない、とお悩みのソフトウェア業の方は、ぜひご一読を頂き、ご批評を頂ければ幸いである。

当方の考えるコスト構造に関する課題の結論と、結論に至るまでの仮説は以下である。

●結論

受託・派遣型のビジネス慣習によって、受託・派遣型のソフトウェア開発は、ハイリスク・ローリターンのビジネスモデルになっている。

●仮説

人月単価での発注という慣行によって、組織の生産性向上によって余剰工数が生み出されても、柔軟に仕事をアサインできるマネジメントが存在していない。

論述はおおよそ以下の順に述べることとする。

続きを読む

受託・派遣型ソフトウェア業の課題:コスト構造(その5)

受託・派遣型の中小ソフトウェア業が抱える課題:コスト構造(その5)

●(4)コスト構造の課題その1

ここでは、私が認識する受託・派遣型の中小ソフトウェア業のかかえる課題について述べ、解決に向けての情報共有を行いたいと考えている。

「受託・派遣型のソフトウェア業」とは、主にベンダ企業や大手のソフトウェア業のシステム開発を請負または委任契約で受託し、客先の企業内に技術者が常駐して開発を行うタイプの業務形態を示している。世間一般で言う「ソフトハウス」がこれに該当する。

私が本稿で述べたい結論は、「受託・派遣型のビジネス慣習によって、受託・派遣型のソフトウェア開発は、ハイリスク・ローリターンのビジネスモデルになってしまっている」という点である。これではリスクだけ引き受け、リターンは低いという、全くうまみの少ないビジネスと言えよう。

日々生産性向上の施策なども打っているが、なぜか利益が出ないし組織が伸びない、とお悩みのソフトウェア業の方は、ぜひご一読を頂き、ご批評を頂ければ幸いである。

当方の考えるコスト構造に関する課題の結論と、結論に至るまでの仮説は以下である。

●結論

受託・派遣型のビジネス慣習によって、受託・派遣型のソフトウェア開発は、ハイリスク・ローリターンのビジネスモデルになっている。

●仮説

人月単価での発注という慣行によって、組織の生産性向上によって余剰工数が生み出されても、柔軟に仕事をアサインできるマネジメントが存在していない。

論述はおおよそ以下の順に述べることとする。

続きを読む