知床半島遊覧船事故に見る、結果論ではないプロセス管理の重要性

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痛ましい事故となった知床半島遊覧船。私も昔、知床半島を遊覧船でめぐる旅行に行ったことがあり、なおさら気になっていました。

 

今回はこの事故から、私がすべての仕事において最重要だと思う「結果論で評価するのではなく、プロセス(過程)としての正しさ」を考えてみたいと思います。

私は、今回の事故で運航会社の社長が記者会見で発言したと報道されている、以下のコメントに着目しています。
「結果として、安全管理は行き届いていなかったということになる」

「(出航は)いまとなれば間違っていたと思っている」

 

この発言の背景にあるのは、「結果として悪いことが起きたのだから、このやり方は間違っていた」という認識。言葉を返すと「結果として悪いことが起こらなければ、このやり方は正しい」という意味になります。

果たしてそうなのでしょうか。

 

 

◢◤◢◤ プロセス管理の重要性 ◢◤◢◤

「結果論で評価することの是非」を考えるために、事例を見てみましょう。

 

プロジェクトマネジメントにおける古典となったトム・デマルコ氏の書籍から、今回の事故と同様のケースと思われる個所を当方が要約して引用してみます。
(Tom DeMarco & Timothy Lister, 熊とワルツを-リスクを愉しむプロジェクト管理, 日経BP社, 2003年)

 

ーーーーーーーー以下筆者要約ーーーーーーーーーー

書籍中では、クリフォードという教授が、演説で『信念の倫理』という論文を演説した時の状況を描いています。

 

クリフォードは、定員いっぱいの乗客を乗せて出航しようとする移民船の船主を例に挙げて演説を始めました。

船主は、船が古くて状態が悪いことを心配していました。もう一度無事に航海できるか疑問だとも考えていました。

しかし、船主はもう一度航海しても大丈夫だと自分に思い込ませることに腐心します。

 

「今までも何度も嵐にさらされたが無事だった。もう一度航海できない理由はない」

 

そして船は出航し、沈没してしまいました。

 

 

クリフォードはこの船主についての考えを以下のように示しました。

「乗客の死について船主に責任がある。確かに船主は誠心誠意、船が安全であると信じていた。

しかし、船主は目の前にある証拠を信じる権利がなかった。 最後には、絶対安全だという確信に至ったが、それは調査によって誠実に得られた結果ではない」

 

その後、状況を変えてこう問いかけます。

 

「仮に、今回は沈没せず、何の問題もなく航海できたとしたら船主に罪はないのか?」

 











クリフォードの答えはこうです。

 

「そんなことはない。ひとたび行動すれば、それは永久に間違っているか正しいかのどちらかだ。
船の安全を信じたかどうか、ではなく、何を持って信じるに至ったかが重要なのだ」

ーーーーーーーー筆者要約ここまでーーーーーーーー

 

 

 

◢◤◢◤ 得られる教訓 ◢◤◢◤

どんな仕事も、結果良ければすべてよし、ではない。

 

結果を出すためのプロセス(行動)は、その時点の状況・情報・資源・知識などを踏まえて最適だと考えられるものを選択することができます。

そしてその選択には、正しい・誤り、が存在します。

もちろん絶対的な正しさなどはありません。しかし、「妥当なプロセス」を繰り返さなければ、結果も妥当ではなくなるし、品質も安定しません。ましてやリスク管理など絶対にできないでしょう。

 

 

私は職業柄経営コンサルタントとして、「結果的に売上が上がった」、「結果的にクライアントが満足した」、といったことが起きた場合は、反省するようにしています。

 

それは私が意図したものではないからです。でもこれは「意図しない成功」であるから、その原因を分析し掘り下げることで、次回には「自分が意図的に再現できるノウハウ」にしていくこともできます。

 

このように、明確に意図したプロセスと、その結果を両方振り返り、内省しない限り、偶然に人生をゆだねることになってしまうのではないでしょうか。

 

 

 

冒頭の事故についても、同様のことが言えます。

 

あらゆる仕事は連続したプロセスを組み合わせて成り立っています。1つ1つのプロセスを実行するためには、知識・スキルが必要で、プロセスを効率的に実行するためにツール(道具)を準備できます。こうしたものの総合が業務マニュアルであり、かつ人間の英知であり、マネジメント体系なのです。

 

このような考え方で仕事を組み立てない限り、冒頭のような事故は必ず繰り返されるでしょう。

 

マネジメントの大家ドラッカーもこう言っています。

 


「繰り返し起こる危機は、ずさんさと怠慢の症候の1つである。

よくマネジメントされた組織は退屈な組織である。
 そのような組織で真に劇的なことは、昨日の尻ぬぐいのためのカラ騒ぎではない。

それは、明日をつくるための意思決定である」

(引用:ピーター・F・ドラッカー, 経営者の条件, ダイヤモンド社, 1996年)

 

 

昨日の尻ぬぐいのためのカラ騒ぎなどやめて、明日を創る意思決定をしましょう。

 

それは、再発防止のためのマニュアル作りや未来に向かって描く戦略作りなのです。

 

 

 

<筆者>
合同会社クリエイティブファースト代表社員社長。宮城県よろず支援拠点チーフコーディネーター。
経営革新や商品開発、広報など売上拡大に直結する具体的で斬新な提案が持ち味。
個人のミッションステートメントは、“あなたの「現状を変えたい」思いを確実に形にし、未来と感動を創り出す変革の経営コンサルタント”。現状からの変革を通じ、相談者の未来と感動を共創することこそが、自身のミッションであり最大の喜びでもある。

※「よろず支援拠点のお仕事」として佐藤のインタビュー記事が掲載されています。
https://yorozu.smrj.go.jp/recruit/voice_miyagi/

  誰でもできる、どんな仕事にも集中できる仕事術とは?

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■どんな仕事にも集中するための方法はあるのか?

仕事をしているときのご自身の「感情」に思いを寄せたことはありますか?

わたしは、仕事において集中してワクワクしながらフロー状態を経験できることもあれば、やっつけなければならない義務感から、辛いと思いながらこなす仕事もあります。

仕事をしている時、人は自分ではあまり意識はしていないと思いますが、実際は「感情」が大きく揺れ動いているはずです。そして、その「感情」によって、自分のモチベーションも揺れ動いているように思います。

 

私は、いわゆる定型業務や、同じような仕事を繰り返すことに極端に苦痛を感じます(笑)。もちろん、ミスなくこなすことはできるのですが、新しさや自分の創意工夫が入らないような仕事になればなるほどその仕事に対する興味を失ってしまう度合いが、かなり大きいのです。

そんな困った自分は、「どうやったら興味を持てない仕事にも集中できるようになるのか」という、これまた世間一般の大人たちがあまり考えそうにない本質的な問いを、ずっと自分に投げかけてきました。ふつうは「仕事なんてそんなもんだよ」と割り切るのでしょうが、私はこうした本質的な答えを探す悪い?クセがあるのです(笑)。

そしてそれは、単に「時間を決めて取り組む」とか、「仕事が終わった後のご褒美を用意する」などという、外的要因による動機づけではなく、自分の心の中から内的に仕事に興味を持ち集中して取り組むための方法を探していたのです。

なぜなら、内的プロセスを身につけなければ、結局はその日の天気や気分、職場環境などといった外的要因によって自分の仕事のパフォーマンスが左右されてしまうからです。仕事におけるパフォーマンス(品質)を一定に保つには、自分の内的要因によって仕事への集中を自ら作り出すプロセスが必要なのです。これは品質管理の考え方と同じです。

 

そんな本質的で答えが無いような問いを長い年月自問してきた結果、おぼろげながらですが、ある程度はどんな仕事にも興味を持ち、集中して取り組むためのスキルを後天的に開発できたように思います。

さて今日は、そんな「仕事に集中するための内的プロセス」について、私の持論を述べたいと思います。みなさまも頭の体操、息抜きに、是非ともお付き合いくださいませ!

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  自己の存在価値 -「ありのままの自分になる」のは是か非か-

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■自己の存在価値 -「ありのままの自分になる」のは是か非か-

最近いろいろと仕事環境も変わり、以前よりもやりたかったことを素直に実行できる環境にいると感じています。

「やりたいと思ったことをやれることが一番の自由である」と言った人がいましたが、確かにそうだな、と実感している次第です。
ただし、大昔から自分の中にあり、そして今も時折考えてしまう課題もあります。

それは、

仕事面において、結局自分は何がしたいのか。もしくは自分の本来的な存在意義は何か。これが時々ぶれてしまう。

ということです。

 

自分で言うのもなんですが、私はどちらかと言えば器用貧乏、よく言えばオールマイティのタイプで、なんでもこなせるけども、結局「これだ」という専門性がいまいち見当たらないようにも思います。

(※などと言うと、一部の方からは「贅沢な悩みだ」など突っ込まれることもあるのですが、ただ自分にとっては結構深刻な課題なので、しょうがないのです)

 

もちろん、やりたい方向性はあって、その方向には進んでいます。しかし年齢を重ねるにつれ、何か人生に対するもっと大きな挑戦がしたいと思うことも多くなってきました。

私は仕事人間とまでは言わないですが、仕事が自分を表現する手段の8割~9割以上を占めている人間です。どんな仕事をするのか、どんな仕事に命を削っていくのか、それはそのまま「人生をどのように生きるのか」に直結しています。

 

こういった課題を解決すべく、以前からキャリア論やモチベーション論などもかなり研究し、自分に適用することで、悩みながらも前に進む事が出来ていたと思います。しかし、いつまでたっても前述の課題はスッキリとは解決しないのです。

しかし最近、ある思想を学ぶことで、もしかしたらこの課題が解決しそうな気がしてきたのです。
それは、「構造主義」です。

 

さて、「ありのままの自分」を取り戻す旅に一緒に出てみましょう。ちょっとだけお付き合い頂けますと幸いです。これを機にご自身の思いも振り返ってみてはいかがでしょうか。

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 「雑談」で知るコミュニケーションの本質とは?

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■雑談という社交性スキルはなぜ必要なのか?

雑談 - 案外これを不得意とする人は実は割と多いのではないかと思います。

 

かく言う私もその1人です。

お客さんなどの仕事関係で、あまり顔なじみでない方(とくに役職の高い方)と、突然エレベータで2人きり・・・
ちょっと離れている面識のあまりない近所の方と、バス停でばったり・・・

 

突然何を話せばいいのか分からないですが、会話がない空気感も避けたいし、少々こまった気分になってしまいます。

 

誰とでも「用事」や「用件」があれば、問題なく会話もできるし意思疎通もできます。
しかし「用件」のないシーンで、どうコミュニケーションすればいいのかが分からない時ってありませんか?

 

そもそも「雑談」とか「コミュニケーション」って何なんだろうか。
できたに越したことはないけど、出来るべきなのか?出来なくともいいのか?
そもそも「雑談」って必要なものなのか?

 

明治大学文学部教授 斎藤 孝氏の「雑談力が上がる話し方」にはこう書かれています。

雑談から透けて見えるのは、その人の育ちの良さ。もちろん、いわゆる育ちが良いというのは、家柄がよいということではなく、人間関係に恵まれて明るく育っているという意味です。
(雑談力が上がる話し方, 斎藤孝,ダイヤモンド社)

 

そんなこと言われても、気付いたころには他人と比べて「社交性が低い」状態になっていたのだし、どうしましょう、という感じです。

 

同著には、

・雑談に意味や目的はない!急に始まり、急に終わって良い会話だ
・雑談は「あいさつ+α」で30秒でよい
・雑談にただ一つルールがあるとすれば、別れ際の後味の悪さは回避せよ
・相手にどう思われるか心配・恥ずかしいという思いは、突き詰めれば自意識過剰

などなど「雑談」を行う上での戦術的方法が書かれており、大変参考になりました。私も1人のビジネスパーソンとして、そして良識のある大人として、この部分は改善せねばと、意識して改善してきました。

 

ただ、そんな「雑談」はなぜ存在するのか?といった、世間一般の良き大人たちは考えも感じもしない疑問がずっと頭にあったことで、ふと、「雑談」つまり「意味のあまりないコミュニケーション」の本質がなんとなくわかってきた気がしてきたのです。

では、雑談から見るコミュニケーションの本質について探っていきましょう。

 

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  信頼を得るための本質的な方法は?

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■“信頼を得る”とはどういうことなのか?

経営コンサルティングに従事しているとよく言われるのが、

お客様との信頼関係を構築しないと支援などできない

ということです。これは他の業種にも通じる言葉ではないかと思います。

 

そこまでは全員が納得でしょうが、では、信頼関係を構築するために具体的にどんなことをすればよいのでしょうか?

もちろん、私もカウンセリング理論の勉強と実践を行っておりますので、ラポールの形成やミラーリングなど一通りのスキルは保有しているつもりです。

ここでは、そういったテクニカルなことではなく、根本的に“信頼”をどのように構築するのか、ということを考えてみます。

 

皆様も後輩や部下に「お客様と信頼関係を構築しろ」と言いっぱなしになっていませんでしょうか?

信頼関係を構築する方法と、その優先順位を、自分の考えではありますが述べてみたいと思います。

今回も皆様への「内省し、自己を見つめなおすための話題提供」になれば幸いです。

 

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  あなたの心をタフにする唯一の方法?

心をタフにする唯一の方法

■人はだれしも心を病む生き物なのだ

 

先日、テレビでNHKの「心の時代」が流れていました。

この番組は宗教家の方々がいろいろなお話をするというもので、NHKのサイトには、

どうにもならない壁にぶつかったとき、絶望の淵にたたされたとき・・・どう生きる道を見いだすのか。先人たちの知恵や体験に、じっくりと耳を傾ける番組です。

と書かれています。

私は過去にこの番組を見たこともないのですが、テレビのリモコンが遠くにあったのと、家事をしていたのでチャンネルを変えるのも面倒なので、そのままこの番組を流しっぱなしにしていました。

 

ただ、途中から番組内でお話をしている宗教家の話の内容に段々と興味を覚えるようになり、番組の後半くらいからじっと聞き入ってしまったのです。

なぜこんなに興味を覚えたのか、というと、ちょうど自分が抱える悩み?とまではいかなくとも、そういった「心に引っかかっている何か」への答えを語っていたからでした。

この答えを聞いたとき、自然に「なるほどね!」と独り言をつぶやいてしまうほど、自分では納得をしてしまったのです。

 

そこには、心を病んだ人がどういうプロセスを経て「タフさ」を身に付けていくのか、その真理が語られているように感じました。

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ビジネスモデルを左右する、たった2つの要素とは?

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ビジネスモデルを左右するたった2つの要素とは?

どんな事業であれ、共通して大切なことはビジネスモデルであると言えます。ただビジネスモデルというとやや幅広いイメージがあり、重要なポイントがぼやけてしまいます。よって私はビジネスモデルの要点を2つだけに絞っています。

要素の1つが、事業の「コスト構造」であり、

もう1つが事業の「収益構造」です。

コストと収益の構造はそれぞれ大きく2パターンに分かれます。

コスト構造の2パターン

事業のコスト構造は大きく、固定費型と変動費型の2種類に分けることができます。
 
固定費型とは、初期投資が大きかったり、毎月の固定費が大きい事業構造のことです。例えば、私が属する「情報サービス業」は基本的に固定費型のビジネスです。受託したシステムを開発するのは「人」ですから、人を雇わないといけません。「人件費」つまり給料は、仕事があろうがなかろうが基本的には一定額の支払いが求められるので、営業量にはあまり左右されない費用、つまり固定費となります。
 

変動費型は小売業をイメージするとよいでしょう。商品を仕入れて販売する形態です。もし需要が少なくなれば、仕入を少なくすることで仕入れコストを変動させることができます。このように、販売をするために必要なコストを需要に応じて変動できるのが変動費型のビジネスです。
 
 
この両者の結論を言うと、固定費型ビジネスはハイリスク・ハイリターン型で、変動費型ビジネスはローリスク・ローリターン型です。固定費型は月々の固定費が大きいので、売上が少ないと赤字になりやすいのですが、一旦黒字化すると、その利幅も大きくなり、急激に利益を獲得できる構造になっています。
 
ビジネスをするうえでは、固定費型なのか変動費型なのかを把握しておき、事業構造に応じた事業計画を策定することが大切です。
 
 

収益構造の2パターン

次に収益の構造です。これにも大きく2つあり、フロー型ビジネスと、ストック型ビジネスがあります。
 
フロー型とは、商品やサービスを販売した時点で売り切るタイプの事業です。販売時点で大きな売上を獲得できますが、常に次の顧客を探して仕事を継続的に獲得することが必要になるので、営業力が求められます。
 
ストック型とは、携帯電話の料金プランやクラウドサービスのように、一度契約すると契約期間は継続して収益が上がるビジネスです。継続利用を前提としているので、月々(または年々)の売上はフロー型よりも低くなります。
 
 
同じ商品やサービスでも、売り方によってフロー型にもストック型にもできます。フロー型は一時期に大きな売上高を獲得できるメリットがありますし、ストック型は継続的な収益を獲得でき経営が安定するメリットがあります。

資金的に厳しい時期はフロー型の事業するとか、将来的な経営の安定を目指してストック型ビジネスをゆっくりと立ち上げるなど、これも企業の状況に応じて戦略的に決めていく必要があります。
 
 

情報処理サービス業のビジネスモデルは?

 
私が以前に従事していた「情報処理サービス業」は、固定費型かつフロー型のビジネスです。仕事があろうが無かろうが固定費が発生するという点でリスクがある事業です。かつ安定した収益は上げにくく、受託していくら、という売り切り型の事業です。なので営業力の有無が事業に与える影響はかなり大きいです。仕事がなくなるとすぐに赤字になるので、どんな仕事でも受けようと思い、あまり面白みのない仕事や、低単価の仕事も受けるような誘因が働きます。
 

仕事量が下火になると急にカツカツになります。仕事があって利益を確保できている時期に、ストック型ビジネスを立ち上げるなどしないと、経営が安定しません。年がら年中仕事に追われる事業になりやすいです。このあたりの特徴はビジネスを始める前から「自明」なほどはっきりしています。
 

こうしたビジネスの特徴を前提条件として営業戦略、人的資源戦略を策定しないと、「全員が忙しくがんばっているのに誰も幸せになれず疲弊する事業」を作ってしまいかねません。
 
 
皆様も自社事業のビジネスモデルを考えてみると、新たな課題や機会がみつかるかもしれません。

派生開発プロセスの工夫(その17)

品質確保に効果のあった派生開発プロセスの工夫#17

掲題の派生開発プロセスに関する、シリーズ・エントリです。
派生開発の設計品質確保について問題意識を持たれている方は、ご一読頂けると幸いです。
レポートの要約、および背景については第一回を参照ください。

エントリ内容の目次

まずはこのレポートの主旨について述べた後、一般的な派生開発の現状を俯瞰する。その後、派生開発プロセスの1つであるXDDPと、当方の開発プロセスの工夫についての概要を述べる。

時間のない場合は、ここまでの内容(1部 レポート・サマリー)だけでも、本論述の概要はつかめると考える。その次の2部から、詳細なレポート内容を述べていく。

もちろん2部から読み始めても構わない。そちらのほうが、概要説明ではなく詳細な論述を行っているため、理解しやすい可能性がある。1部はサマリーのみであり、詳細情報は把握できないだろう。

(1)このレポートの概要と背景について
   ⇒記事はこちら

1部 レポート・サマリー------------
(2)派生開発を巡る現状
   ⇒Part1
   ⇒Part2

(3)XDDPでの問題提起と解決策の概要
   ⇒記事はこちら

(4)当方が遭遇した派生開発の問題と解決策の概要
   ⇒記事はこちら

2部 レポートの詳細--------------
(1)派生開発の課題とプロセス改善について
 1.派生開発の課題
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3
  
 2.派生開発のプラクティス、プロセス
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3

(2)派生開発プロセスの内容
 1.対処検討プロセス群
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3
   ⇒part4
   ⇒part5
   ⇒part6(本記事が該当)

 2.開発プロセス群
 3.検証プロセス群

(2)派生開発プロセスの内容

1.対処検討プロセス群(part6)

対処検討プロセスを順に解説していく。今回は最後のプロセスである「1.5 対処決定」の解説を行う。

 ・1.1 原因特定
 ・1.2 スコープ定義
     ├─1.2.1 要求コンセプトの明確化
     └─1.2.2 要求仕様の特定
 ・1.3 対処案の特定
 ・1.4 対処案の検証
 ・1.5 対処決定

※プロセスの全体像を参照したい場合はこちら

1.5 対処決定

1.5.1 プロセスの目的・概要

対処決定プロセスの目的は、「1.4対処案の検証」プロセスの結果を関係者間で協議し、決定することである。
採用された対処案が決定することで、本プロセスは終了となるが、次の「2.開発プロセス群」の実施に先立って、要求事項トレーサビリティ・マトリクスを作成する。本資料の作成によって、次工程の開発箇所を明確にすると共に開発量の見積りを行うことができる。
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派生開発プロセスの工夫(その16)

品質確保に効果のあった派生開発プロセスの工夫#16

掲題の派生開発プロセスに関する、シリーズ・エントリです。
派生開発の設計品質確保について問題意識を持たれている方は、ご一読頂けると幸いです。
レポートの要約、および背景については第一回を参照ください。

エントリ内容の目次

まずはこのレポートの主旨について述べた後、一般的な派生開発の現状を俯瞰する。その後、派生開発プロセスの1つであるXDDPと、当方の開発プロセスの工夫についての概要を述べる。

時間のない場合は、ここまでの内容(1部 レポート・サマリー)だけでも、本論述の概要はつかめると考える。その次の2部から、詳細なレポート内容を述べていく。

もちろん2部から読み始めても構わない。そちらのほうが、概要説明ではなく詳細な論述を行っているため、理解しやすい可能性がある。1部はサマリーのみであり、詳細情報は把握できないだろう。

(1)このレポートの概要と背景について
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1部 レポート・サマリー------------
(2)派生開発を巡る現状
   ⇒Part1
   ⇒Part2

(3)XDDPでの問題提起と解決策の概要
   ⇒記事はこちら

(4)当方が遭遇した派生開発の問題と解決策の概要
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2部 レポートの詳細--------------
(1)派生開発の課題とプロセス改善について
 1.派生開発の課題
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3
  
 2.派生開発のプラクティス、プロセス
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3

(2)派生開発プロセスの内容
 1.対処検討プロセス群
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3
   ⇒part4
   ⇒part5(本記事が該当)

 2.開発プロセス群
 3.検証プロセス群

(2)派生開発プロセスの内容

1.対処検討プロセス群(part5)

対処検討プロセスを順に解説していく。今回は「1.4 対処案の検証」の解説を行う。

 ・1.1 原因特定
 ・1.2 スコープ定義
     ├─1.2.1 要求コンセプトの明確化
     └─1.2.2 要求仕様の特定
 ・1.3 対処案の特定
 ・1.4 対処案の検証
 ・1.5 対処決定

※プロセスの全体像を参照したい場合はこちら

1.4 対処案の検証

1.4.1 プロセスの目的・概要

対処案の検証プロセスは、特定された対処案の調査アイテムに従って、ソースコードやドキュメントを調査し、必要に応じてスペックアウトを行いながら、対処案が正常に動作することを検証するプロセスである。

対処案をリストアップした時点では、設計情報やソースコードの詳細までを確認しているわけではない。そのため、詳細な調査を行った結果、当初検討した対処案では要求仕様を満足できないことが判明する場合もある。

対処案の検証では、対処案が要求仕様を満足していることを徹底的に調査する。対処案の正常性を確認するのではなく、対処案が要求仕様を満たしていない事項がないかを検証していく。
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派生開発プロセスの工夫(その15)

品質確保に効果のあった派生開発プロセスの工夫#15

掲題の派生開発プロセスに関する、シリーズ・エントリです。
派生開発の設計品質確保について問題意識を持たれている方は、ご一読頂けると幸いです。
レポートの要約、および背景については第一回を参照ください。

エントリ内容の目次

まずはこのレポートの主旨について述べた後、一般的な派生開発の現状を俯瞰する。その後、派生開発プロセスの1つであるXDDPと、当方の開発プロセスの工夫についての概要を述べる。

時間のない場合は、ここまでの内容(1部 レポート・サマリー)だけでも、本論述の概要はつかめると考える。その次の2部から、詳細なレポート内容を述べていく。

もちろん2部から読み始めても構わない。そちらのほうが、概要説明ではなく詳細な論述を行っているため、理解しやすい可能性がある。1部はサマリーのみであり、詳細情報は把握できないだろう。

(1)このレポートの概要と背景について
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1部 レポート・サマリー------------
(2)派生開発を巡る現状
   ⇒Part1
   ⇒Part2

(3)XDDPでの問題提起と解決策の概要
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(4)当方が遭遇した派生開発の問題と解決策の概要
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2部 レポートの詳細--------------
(1)派生開発の課題とプロセス改善について
 1.派生開発の課題
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3
  
 2.派生開発のプラクティス、プロセス
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3

(2)派生開発プロセスの内容
 1.対処検討プロセス群
   ⇒part1
   ⇒part2
   ⇒part3
   ⇒part4(本記事が該当)

 2.開発プロセス群
 3.検証プロセス群

(2)派生開発プロセスの内容

1.対処検討プロセス群(part4)

対処検討プロセスを順に解説していく。今回は「1.3 対処案の特定」の解説を行う。

 ・1.1 原因特定
 ・1.2 スコープ定義
     ├─1.2.1 要求コンセプトの明確化
     └─1.2.2 要求仕様の特定
 ・1.3 対処案の特定
 ・1.4 対処案の検証
 ・1.5 対処決定

※プロセスの全体像を参照したい場合はこちら

1.3 対処案の特定

1.3.1 プロセスの目的・概要

対処案の特定プロセスの目的は、要求仕様を満足する対処案を複数検討し、対処案を実現するために明らかにしなければならない調査事項(調査アイテム)を洗い出すことである。

本プロセスでは、必要であれば要求仕様を更に要素分解して、設計書やソースコードの調査を行う。調査の過程で、要素分解、バリエーション検討、マトリクス表記の3手法を活用しながら、対処案を検討する。
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